デュタステリドの作用機序とはどんなものか

だんだんと年齢を重ねてくると、トイレのあとなのに残尿感が残ってしまうこともありますが、これは年をとったことによって前立腺の細胞が増えたことから起こる現象で、前立腺が肥大してしまうことが原因であることが多いです。たとえば日中や夜中に何回もトイレに行かなくてはならない頻尿の症状や、いきなりトイレに行きたくなってしまう尿意切迫感などといった蓄尿の症状もありますし、トイレに行っても尿が出にくくなる排尿遅延や勢いがなくなってしまう、または途中で尿が途切れてしまったり、そもそも尿を出すのが困難になったりもします。これがひどくなると、毎日の生活の質にも大きな影響をあたえてしまうために、お薬をつかって治療をしていくことが必要になりますがそんなときに使用できるお薬としては、前立腺肥大症治療薬があり、中でも5α-還元酵素阻害薬には商品名はアボルブというディスタステリドがあります。
残尿感を治すにはその原因となっている前立腺肥大を治療することになりますが、それにかかわっているのが男性ホルモンがより作用が強力なジヒドロテストステロンに変換されていってしまうといった現象であるために、これをいかにして抑制していくのかが大事になります。この商品名はアボルブとして知られるディスタステリドは、男性ホルモンに作用するお薬でテストステロンがジヒドロテストステロンに変換されてしまうときに使われる5α-還元酵素という物質を阻害してしまうはたらきがあるのです。

 

 

具体的には変換される過程で5α-リダクターゼのⅠ型のみに作用するようなフィナステライドとは違って、こちらの商品名はアボルブとして知られるディスタステリドの場合には、5α-リダクターゼのⅠ型とⅡ型の両方に作用する働きがあるために、しっかりとテストステロンがジヒドロテストステロンに変換されてしまうのを防ぐことができ、その効果を血中濃度で見てみると日本人を対象とした臨床試験においても89.7%も低下させることができたというデータもしっかりと確認されているので、効果も高いことがわかります。同じく日本人を対象とした国内の臨床試験においての副作用の発言率も1割程度なので深刻な副作用が起こるといった心配もありません。

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前立腺肥大症治療薬としてよく使われてきた商品名はアボルブというディスタステリドですが、男性ホルモンのテストステロンがジヒドロテストステロンに変換されてしまうというのは、男性にとっては抜け毛の原因にもなるため、しっかりと5α-リダクターゼのⅠ型とⅡ型にもどちらにも作用してジヒドロテストステロンを抑制してくれる商品名はアボルブというお薬は、男性型脱毛症の治療薬としても注目されています。脱毛症というと、最近では男性ばかりではなく女性でも薄毛や脱毛に悩んでいる人が多く、クリニックも男性のみならず女性への治療を行っている脱毛症専門クリニックもあるくらいですが、このお薬は前立腺肥大症治療薬として使われていることからもわかるとおり、男性ホルモンに働きかけるため男性のみに効果があるお薬ですし、女性には妊娠中に服用すると胎児への影響もあるので注意が必要です。また男性ホルモンに作用するというと、これまでは勃起不全や性欲の減退などといったうれしくない効果まで発生してしまうことも多かったのですが、こちらのお薬の場合には5α-還元酵素阻害薬であり、5α-還元酵素のみをブロックするというはたらきであるためにこれまでの前立腺肥大症治療薬と比べても血液中のテストステロンの濃度はそれほど変化しないといった特徴があるので、性機能障害といった男性の重要な機能に影響を及ぼしてしまう副作用もあまりない点も安心です。

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